ゲームができなくなった私が、片手で遊べるゲームを作った話

片手で遊べるゲームを作った話 ゲームができなくなった私が、作る側へ 障害と向き合う

好きだったゲームを、アンインストールした日

脳出血で右半身が麻痺してから、できなくなったことがたくさんあります。そのひとつが、ゲームでした。

両手で持って、素早くスワイプして、小さいボタンを正確にタップする。当たり前にやっていたことが、できない。

好きだったゲームをアンインストールした日のことは、今でも覚えています。

「ないなら、作ればいい」

ある日、ふと思いました。

片手で遊べるゲームがないなら、作ればいいんじゃないか?

私はエンジニアではありません。プログラミングはまったくできません。それでも作れたのは、今がAIに日本語でお願いすれば書いてもらえる時代だからです。

私が伝えたのは「困りごと」だけ

「片手の親指だけで遊べるようにして」
「間違えてタップしても取り返しがつくようにして」
「時間に追われないゲームにして」

私が伝えたのは、体で覚えた困りごとだけです。それを全部、ゲームの設計に変えてもらいました。

作れなかったのは技術がなかったからではなく、困りごとを設計に翻訳する手段がなかっただけでした。今はその手段があります。

できあがった2本

いろつなぎ(パズル)

同じ色のかたまりをタップして消していくパズルです。たくさんつなげて消すほど高得点。時間制限はありません。じっくり考える楽しさがあります。

おぼえてタップ(脳トレ)

光った順番を覚えて、同じ順番にタップします。レベルが上がるほど長くなりますが、「もういちど見る」ボタンは何回でも使えます。

記憶障害がある私にとって、忘れても焦らなくていいというのは、それだけで遊べるかどうかの分かれ目でした。

「障がい者向け」にしなかった理由

いちばん考えたのはここです。

タップだけで遊べる。時間に追われない。間違えてもやり直せる。色がわからなくても記号(♥●★▲◆)で区別できる。ボタンの位置を左手用と右手用で切り替えられる。

これは麻痺のある私に必要だったことですが、電車で片手がふさがっている人にも、細かい操作が苦手になってきた親世代にも、ぜんぶ「遊びやすさ」なんですよね。

「誰かのための特別なゲーム」ではなく「誰にとっても遊びやすいゲーム」を目指しました。

BOOTHで販売しています

このゲーム2本セットを、BOOTHで販売しています。価格は300円。ダウンロードしてZIPを展開し、中のファイルをブラウザで開くだけで遊べます。インターネット接続も要りません。

私が作りました

片手で遊べるゲーム2本セット「いろつなぎ&おぼえてタップ」

タップだけで遊べます。時間制限なし、間違えても1手もどせます。ダウンロードして、スマホやパソコンのブラウザで開くだけ。インターネット接続も要りません。

BOOTHで見る(300円・ダウンロード版)

※App StoreやGoogle Playのアプリではなく、ブラウザで遊ぶゲームファイルです。パソコン、Android、iPhoneで動作します。

正直、ゲームとしては素朴なものです。それでも「片手でも楽しめるものを自分で作った」という事実が、いま同じ立場で悩んでいる誰かの「自分にもできるかも」につながったらうれしいです。

売上は、次のゲーム作りと、リハビリ生活の発信活動に使います。

できなかったことより、できたこと

麻痺してから「できなくなったこと」を数える日々でしたが、最近は「できたこと」を数えられる日が少しずつ増えています。

このゲームは、その「できたこと」のひとつです。

あわせて読みたい

高次脳機能障害とは?見えない障害を知ってほしい
高次脳機能障害とは何か。小6で脳出血を経験した当事者が、見た目ではわからない障害の症状と困りごとをやさしく説明します。
高次脳機能障害〜記憶障害について
さっき聞いたことが思い出せない。高次脳機能障害の記憶障害について、当事者の私が実際の困りごととメモの工夫を紹介します。
タイトルとURLをコピーしました