障害があって働くことに迷ったら|5つの働き方と相談先を当事者が全部書きます

障害があって働く5つの選択肢 雇用契約・収入・相談先まで全部比較しました 就労

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「障害があるまま、どうやって働けばいいのか分からない」

私も、まったく同じところで止まっていました。

私は12歳で脳出血を起こし、右半身麻痺と高次脳機能障害の当事者になりました。特別支援学校から沖縄大学 福祉文化学科へ進学し、社会福祉主事任用資格を取って卒業しています。福祉を学んだ側でもあり、支援を受ける側でもあります。

この記事では、障害があるまま働くための選択肢を、ぜんぶ並べて比較します。制度の説明だけでなく、当事者として何が実際にきついのかも正直に書きます。

この記事でわかること

  • 障害者雇用と一般雇用の違い
  • 働き方5つの比較(賃金・雇用契約・対象者)
  • 障害者手帳は必要なのか
  • 就職までの流れと、無料で使える相談先
  • エージェントを使ったほうがいい理由

まず前提:障害者雇用と一般雇用の違い

大きな分かれ道は、障害を伝えて働くか、伝えずに働くかです。

一般雇用(クローズ)障害者雇用(オープン)
障害の開示伝えない伝えたうえで採用される
配慮受けられない通院・時間・業務内容などを相談できる
求人数多い一般雇用より少ない
給与水準高めになりやすいやや低めになりやすい
続けやすさ無理が出ると続かない調整しながら続けやすい
障害者手帳不要原則必要

私のように見た目でわからない障害がある場合、クローズは想像以上に消耗します。「なぜできないのか」を毎回ひとりで抱えることになるからです。

会社側にも事情があります。障害者雇用促進法で、企業には一定割合以上の障害者を雇用する義務(法定雇用率)があり、この割合は段階的に引き上げられています。つまり企業側も採用したいという状況です。最新の数値は厚生労働省のサイトで確認してください。

働き方5つを比較する

「就職」と一言でいっても、選択肢は5つあります。

働き方雇用契約収入の目安こんな人に
一般雇用あり各社の給与症状が安定し、自分で調整できる人
障害者雇用枠あり各社の給与(配慮つき)手帳があり、配慮を受けて長く働きたい人
就労移行支援なし(訓練)原則なし(工賃が出る所も)いきなり働くのが不安。原則2年の助走期間
就労継続支援A型あり最低賃金以上働きたいが、一般就労はまだ難しい人
就労継続支援B型なし工賃(月1〜2万円台が中心)体調の波が大きい人。生活リズムづくりから

順番に降りていく必要はありません。B型からA型、A型から障害者雇用へ移る人もいます。逆に、合わなければ戻ってもいい。ここは自由です。

私が一番伝えたいこと

私は長いあいだ「一般雇用でないと負けだ」と思っていました。でもそれは間違いでした。

続かない働き方を選ぶことのほうが、よほど損です。3か月で辞めるより、配慮を受けて3年続けたほうが、収入もキャリアも確実に積み上がります。

障害者手帳は必要ですか

障害者雇用枠に応募するには、原則として障害者手帳が必要です。身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳のいずれかです。

高次脳機能障害の場合、精神障害者保健福祉手帳の対象になることがあります。私は身体・知的・精神の3つの区分に該当しています。

取得を迷う方は多いです。ただ手帳は「できないことの証明」ではなく、「配慮を受けるための鍵」です。持っていても使わない自由はありますが、持っていないと選べる道が減ります。申請は市区町村の障害福祉課で相談できます。

就職までの流れ

ステップやることどこで
① 整理できること・できないこと・必要な配慮を書き出す自宅/支援者と
② 相談どの働き方が合うか相談するハローワーク障害者窓口 など
③ 準備手帳、履歴書、配慮事項の説明メモを用意支援機関のサポートあり
④ 探す求人を見る。エージェントに登録するハローワーク/転職エージェント
⑤ 面接配慮事項を具体的に伝える
⑥ 定着困りごとが出たら早めに相談職場/支援センター

いちばん大事なのは①です。「何ができないか」を言葉にできていないと、②以降が全部ぼやけます。私はここに一番時間をかけました。

無料で使える相談先

相談先できること
ハローワーク 障害者窓口専門の相談員に相談。障害者向け求人の紹介
障害者就業・生活支援センター就労と生活の両面を継続的に相談できる
市区町村の障害福祉課手帳の申請、福祉サービスの利用申請
地域障害者職業センター職業評価、ジョブコーチ支援
病院の医療ソーシャルワーカー医療と生活をつなぐ相談

全部無料です。私も最初はどこに行けばいいのか分かりませんでしたが、ひとつ電話すれば、そこから次につないでくれます。

転職エージェントを使ったほうがいい理由

ハローワークだけで十分では、と思うかもしれません。私もそう思っていました。でも併用したほうがいい理由があります。

① 障害への理解がある企業だけを扱っている
受け入れ実績のある企業が中心なので、入ってから「聞いていた話と違う」が起きにくくなります。

② 配慮事項を代わりに説明してくれる
ここが私には大きいです。自分の障害を、初対面の人に短く正確に説明するのは本当に難しい。高次脳機能障害があると、緊張した場面ほど言葉が出てきません。間に入ってもらえるだけで、選考の通りやすさが変わります。

③ 非公開求人がある
ハローワークに出ていない求人を持っています。選択肢が単純に増えます。

④ 無料で、断ってもいい
登録も相談も無料です。求人を見て「今は違うな」と思ったら、そこでやめて構いません。

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私が伝えたいのは「今すぐ転職しろ」ではありません。「障害があるとこういう仕事しかない」という思い込みを、一度こわしてみてくださいということです。私の場合、それはただの思い込みでした。

私の場合|働き方を自分で作る道もある

私はいま、在宅で発信する方向にも足を伸ばしています。ブログを書き、noteを書き、AIを使ってゲームやアプリを作って販売しています。

大きな金額ではありません。それでも「通勤できない日でも進められる仕事がある」というのは、私にとって精神的な支えです。

簿記3級とFP3級を取ったのも、この延長線上にあります。努力が数字で返ってくる場所を持っておくと、うまくいかない日でも自分を保てます。

よくある質問

Q. 障害を伝えると不利になりませんか?

A. 一般雇用に応募するなら不利に働くことはあります。ただ障害者雇用枠は、伝えることが前提の入口です。土俵が違います。

Q. ブランクが長いのですが

A. 就労移行支援やB型から始める方は多いです。ブランクを埋めることも支援の対象になります。

Q. 週5日フルタイムは無理そうです

A. 短時間勤務の障害者雇用求人はあります。最初から週5日で考えなくて大丈夫です。

Q. 何社も落ちて心が折れました

A. 私も、うまくいかない時期を知っています。落ちたのはあなたの価値ではなく、その会社との相性です。一人で抱えず、支援機関に一度状況を話してみてください。

まとめ

この記事のまとめ

  • 働き方は5つある。順番に降りる必要はない
  • 続かない働き方を選ぶほうが、よほど損
  • 障害者手帳は「配慮を受けるための鍵」
  • 相談先はすべて無料。ひとつ電話すれば次につながる
  • エージェントの価値は説明を代わりにしてくれること

働き方は、ひとつではありません。今の自分に合わないなら、合う形に移ればいい。それは逃げではなく、選択です。

私も途中です。うまくいっている日もあれば、そうでない日もあります。それでも「働けない」ではなく「どう働くか」に問いを変えてから、ずいぶん楽になりました。

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