高次脳機能障害と遂行機能障害とは?〜片づけができないのは「意思の弱さ」ではない〜

高次脳機能障害

はじめに「片づけられない」は脳の障害かもしれません

ゆうき
ゆうき

こんにちは
ゆうきです!
私は高次脳機能障害の当事者です。

「片づけなきゃ」と思っていても、気づけば机の上がぐちゃぐちゃ…
「やる気がない」と責められて、どんどん自信をなくしていく…

そんな経験がある方、もしかするとそれは「遂行機能障害」という脳の働きの問題かもしれません。

今回は、見えにくい障害である高次脳機能障害の中でも、「片づけができない」という悩みにつながる遂行機能障害について、具体的な事例と共に解説します。

遂行機能障害とは? 順序立てて行動する力の障害

遂行機能障害は、高次脳機能障害の中でも、「目標を立てて、計画的に行動する力(遂行機能)」に支障が出る障害です。

主な症状

高次脳機能障害に対する遂行機能障害については下記になります。

遂行機能障害の一例
  • 何から始めてよいか分からず、行動が止まる
  • 作業の手順を考えられず、順番を間違える
  • 予定変更に混乱し、パニックになる
  • 複数の作業を同時にこなせない
  • 周囲から「やる気がない」と誤解される

これらは、本人の意志の問題ではなく、脳の処理機能の障害によるものです。

私の体験談

私は実際、頭の中では「片付けよう!」と思っても、次の瞬間には違うことに気を取られていたり、

「どこから始めたらいいかわからない」と手が止まったりしてしまいます。

途中までやっていたのに、気がついたら別のことを始めてしまっていた…ということもよくあります。

そんな自分に、昔はイライラして、よく落ち込んでいました。

でも、これは私の意志の弱さではなく、「脳の機能の問題」だったと知ったとき、気持ちが少し楽になりました。

工夫すれば少しずつできるようになる

もちろん、全部がうまくいくわけではありませんが、いろいろな工夫をしながら、少しずつ生活を整えています。

私が試しているのは

  • ✔ 一つの作業を短時間(10分だけ!)と決めて行う
  • ✔ タスクリストを紙に書いて目の前に貼る
  • ✔ 作業の手順をあらかじめ決めておく
  • ✔ 「片付けは夜9時」と時間をルーティン化する

こうした工夫を続けることで、「できた!」という小さな成功体験が自信につながっています。

周りに伝える勇気も大切

遂行機能障害は外からは見えにくい障害です。
そのため、周囲から理解されにくいこともあります。

でも、私たちが「なぜできないのか」「どうすれば助かるのか」を伝えることで、少しずつ周りの理解も広がっていくと思います。

遂行機能障害への支援

① 作業手順をリスト化

例「①ペンをペン立てに入れる → ②書類を3つに分ける → ③不要な紙はゴミ箱へ」
→ 手順が明確になることで、「迷い」が減り、スムーズに動けるようになります。

② タイマーで時間を区切る

5分だけ片づけて、5分休憩といった短時間の集中法
心理的ハードルが下がり、最初の一歩が踏み出せるように

③ 視覚的な整理

収納ボックスや引き出しにラベルを貼る
考えずに元の場所に戻せるため、ミスや混乱が激減

④ 口頭ではなく「紙に書いた指示」

口で言われただけだと忘れやすいため、紙に書いて目に見えるように
視覚的な確認ができることで混乱が防げる

家庭・職場でできる遂行機能障害への支援

ですが、一人ではやはり厳しいと思います。
そのためには、周りの支援することも大切です。

具体的なサポートの工夫

適切なサポート
  • やることは一つずつ、具体的に伝える
  • 作業環境をシンプルに保ち、混乱を防ぐ
  • 怒らず・急かさず、「できたこと」に注目して褒める
  • 同じ行動を繰り返せるように、安定したルーティンを作る

こうした支援が、本人の行動を支え、安心感と自信につながります。

まとめ

片付けが苦手でも、それはあなたの努力不足ではありません。

私もまだまだ未知であり、障害状変えられない所もあり、家族や支援しているヘルパーさんに協力してもらいながら生活しています。

私たちには「できない理由」がちゃんとあります。

だからこそ、できない自分を責めずに、「どうやったらできるか」を一緒に考えていきましょう。

私もまだまだ試行錯誤中ですが、こうしてブログを書くことで、自分自身の心の整理にもなっています。

少しでも、同じように悩んでいる方の参考になれば嬉しいです

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