【高次脳機能障害】退行・依存の苦しみと向き合う。その繰り返しと葛藤

高次脳機能障害
自由テキスト

はじめに

ゆうき
ゆうき

こんにちは
ゆうきです!
私は高次脳機能障害の当事者です。

「甘えているだけじゃないの?」「子どもみたいだね」
そんなふうに言われたことはありませんか?

高次脳機能障害の後遺症には、記憶障害や注意力の低下、感情コントロールの難しさなどが知られていますが、“退行”や“依存”のような行動面の変化も、大きな苦しみとして現れます。

私自身も、障害を負ってから「自分でやるべきことを頼ってしまう」「友人に子どものような言葉で話してしまう」といった行動を繰り返し、何度も自己嫌悪と葛藤を繰り返しました。

この記事では、高次脳機能障害による退行・依存傾向について、私の実体験を交えながら、心の内を正直に綴っていきます。

退行とは?感情が子ども返りするという現実

無意識に幼い言動を取ってしまう

高次脳機能障害における「退行」とは、精神的に幼くなったような言動を取ってしまう状態です。
たとえば、大人としては場にふさわしくない振る舞いをしてしまったり、突発的に拗ねたり甘えたりするような行動が出ることがあります。

私も、高校生の頃や大学時代、「またそんな言い方して…」と、友人に笑われたり、困った顔をされた経験が何度もありました。
特にショックだったのは、「なんか子どもみたい」と言われたことや、友人と冗談混じりに言ったつもりが、厳しい人には「友達いなくなるよ」と言われ、「これは友人と冗談もできないなら、もう話せなくなるじゃん」と納得できなかったこともあったが私にとって深く傷ついたときです。

でも、それはわざとやっているのではなく、気づいたときにはもう言ってしまっているのです。

依存傾向の裏側にある「不安」と「孤独」

自分でやりたいのに、できないもどかしさ

障害者の今の私は、人に確認しないと不安で動けないことがあります。
やるべきことの順序が分からない、忘れてしまう、そして結果的に「助けて」と頼ることが増えてしまったのです。

もちろん「頼ること」は悪いことではありません。
でも、自分の中で「こんな自分でいいのかな?」と自信を失っていくのが一番つらい。

私は何度も「もう頼らない」と決意しても、結局また誰かに甘えてしまう。
その繰り返しに、情けなさや怒りが湧いてきます

私の体験|子ども言葉でふざけてしまう自分と葛藤

分かってるのに止められない苦しみ

私は高次脳機能障害を負ってから、人との会話の中でつい子どもっぽい言葉で話してしまう癖がついてしまいました。
最初は「ふざけてるのかな?」と友人も笑ってくれましたが、次第に空気が冷たくなることも増えていきました。

自分でも「これは距離を取られてしまう」と理解しています。
「もうやめよう」と思っているのに、また同じことを繰り返してしまう…。

そのたびに、「またやってしまった」と落ち込み、自分に腹が立つ。
葛藤と怒りで、頭の中がぐちゃぐちゃになることもあります。

社会的関係にも影響する退行・依存傾向

「ふざけてばかりいる人」と誤解される怖さ

高次脳機能障害の見た目は普通なことが多いです。
そのため、周囲からは「なんでそんなことするの?」「ふざけてるの?」と誤解されがちです。

実際、私も何度か友人関係がうまくいかなくなったことがありました。
本当はただ「普通に接したい」と思っているだけなのに、なぜか距離を取られてしまう現実

それがさらに「どうせ分かってもらえない」という気持ちを強くし、また依存や退行傾向が出てしまう。

そんな負のスパイラルに陥ってしまうのです。

向き合うために必要だった「自己理解」と「許し」

自分を責めずに受け入れるという選択

退行や依存傾向は、自分で「なおそう」「やめよう」と思っても、簡単にはいきません。
それが高次脳機能障害の一つの特徴です。

でも、だからといって「仕方ない」で終わらせたくない。
私は、「こういう自分とどう向き合っていくか」をずっと考えてきました。

まず始めたのは、自分を責めるのを少しやめることでした。

それが今の自分なんだ

そうやって自分を受け入れることが、回復の第一歩になりました。

周囲へのお願い|見えない障害に気づいてほしい

頼るのは悪じゃない。理解が力になる

退行や依存という言葉には、どこか「甘え」「怠け」といったネガティブな印象がついて回ります。
でも、高次脳機能障害のある私たちにとって、それは無意識に出てしまう「症状」なのです。

だからこそ、周囲の人には知ってほしい。

「ふざけてる」のではなく、「心が不安定になっている」

そして、「頼られること」は、その人が頑張って生きている証です

まとめ

高次脳機能障害の退行や依存は、周囲の理解だけでなく、自分自身の心との闘いでもあります。
笑ってごまかす日もあるし、涙が止まらない日もあります。

でも、私は生きてる。頑張ってる。
そのことだけは、自分で認めてあげたい。

この文章が、同じように苦しんでいる誰かに届いて、「あ、私だけじゃないんだ」と思ってもらえたら嬉しいです。
そして、これからも、少しずつ自分と向き合いながら進んでいきます。

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