はじめに

こんにちは
ゆうきです!
私は高次脳機能障害の当事者です。
高次脳機能障害の社会的行動障害についてです。
社会的行動障害には幅広く様々なことがあります。
今回は社会的行動障害の中の感情コントロールについて
「またやってしまった…」「分かってるのに止められなかった」
高次脳機能障害を抱える私は、何度もこの言葉を繰り返してきました。
12歳のときに脳出血を起こし、右半身麻痺と高次脳機能障害になってから、感情がコントロールできず、社会的行動に支障をきたすことが増えました。
でも、それは甘えでも性格のせいでもなく、脳の障害によるものなんです。
社会的行動障害とは?

感情が抑えられない障害
高次脳機能障害の中でも、「社会的行動障害」と呼ばれる症状は、人との関わりに大きな影響を与えます。
- カッとなって怒りを爆発させる
- 空気を読まずに発言してしまう
- 衝動的な行動(暴言・暴力・買い物など)が抑えられない
本人は「やっちゃいけない」と理解しているのに、脳がうまくブレーキをかけられず行動してしまうことが多いのです。
感情コントロールの低下とは?

笑う・泣く・怒るが止められない状態
高次脳機能障害では、些細なことで突然怒鳴る・泣く・笑いが止まらないといった「感情のコントロールが難しい」状態が起こります。
- ちょっと注意されただけで突然怒鳴ってしまう
- 自分でも理由がわからないのに、急に涙が出てくる
- 深刻な場面なのに、笑いが止まらず誤解される
こうした症状は、前頭葉など感情を調整する部分の損傷によるもので、当人の意思とは関係なく起こります。

私も学生時代はほんとコントロールできなかった💦
今では少しずつ回復してるけど、まだまだ完璧ではないからやっぱり起きるんだ…
自分でも出来る限り気をつけて、周りのサポートも大切だと思うよ
「なんで今そんな感情になるの?」と誤解されるつらさ
外から見れば、「わがまま」「空気読めない」と誤解されがちですが、本人は常に、「なんで自分はこんな風に反応してしまうのか」と苦しんでいます。
私も、何度も場の空気を壊してしまい、あとでひとり落ち込みました。
私の体験:感情の爆発と自分への絶望
家族や先生に対して感情が爆発した
私は、何度も家族や学校の先生に対して、強く感情的になってしまいました。
その怒りが限界を超えると、右半身に痙攣が起き、口がガクガク震え、言葉もうまく出ないまま暴言を吐いたり、暴れてしまうこともありました。
泣く、怒る、笑うが暴走する自分
- 友達との何気ない会話で急に涙が出て止まらなくなる
- 頭では「やめなきゃ」と思いながらも、笑いが止まらず周りを困らせる
- ちょっとした言葉に、感情が一気に噴き出し、怒鳴ってしまう
感情のスイッチが「突然」「勝手に」「強すぎる形で」入るのです。
そんな自分が嫌いだった
暴言や暴力、涙や笑い。
自分で制御できない反応を繰り返すうちに、「こんな自分じゃ誰にも受け入れてもらえない」と感じるようになっていきました。
「またやってしまった」「どうして自分だけ、うまくできないんだろう」
そんな思いが胸を締めつけ、誰にも言えず、ひとりで自分を責めてばかりの日々が続きました。
それでも、家族は私のために向き合ってくれた
私は何度も家族にひどい言葉をぶつけてしまったことがあります。
泣きわめいたり、感情のままに怒鳴ったり、無視してしまったり。
正直、「こんな自分を見て、きっと愛想を尽かされる」と思っていました。
それでも、家族は私のために向き合ってくれました。
どれだけ私が感情をぶつけても、うまく気持ちを伝えられなくても、ときに傷つけるようなことをしてしまっても、
家族は真摯に向き合ってくれました。
傷つけたことを許してくれたわけじゃありません。
でも、一緒にこの障害を受け入れようとしてくれた姿勢が、何より心に響きました。
我慢するより「環境」が大切だと思う

我慢ではなく、先に対策を
私は「感情的にならないように」と我慢を繰り返しました。
でもそれがかえってストレスをため込み、次に爆発するときに強烈になってしまいました。
当事者として感じる「環境」の大切さ
- 話を否定せず、まず聞いてくれる人がいること
- 無理を強いられない、プレッシャーの少ない空間
- 笑いや涙が出てしまっても、少し待ってくれる余裕のある人間関係
こうした「心の安全基地」があるだけで、感情のコントロールもしやすくなります。
周囲の理解と、伝える勇気の大切さ
自分の状態を言葉にする
- 「ちょっと気持ちが乱れてます」
- 「今、自分でコントロールがきかない状態です」
そう伝えることで、無用なトラブルを避けられることが増えます。
自分に合った工夫で、感情を味方に
対策① 感情の記録をつける
感情が動いた瞬間を記録していくと、自分のきっかけが見えてきます。
パターンを知ることは、対処の第一歩になります。
対策② リラックス方法を見つける
私の場合は、
- 散歩・運動
- カラオケ
- 好きな音楽を聴く
などが、感情の波を落ち着ける助けになります。
私もまだまだ探し中ですが、沢山見つけていくのも良いし、好きなリラックス法を特化することもとても良いです。
それでも、人生は少しずつ変えていける
でも、「どうせ変わらない」と諦めたくないんです
感情をコントロールできない日があっても、それでも「気づき」が増えたら、変化は起きていくと思います。
以前は怒りでしか反応できなかった場面で、
「ちょっと落ち着こう」と自分に言い聞かせられるようになりつつあります。
泣き出してしまった自分を、「情けない」と思うよりも、
「それだけ感情を出せたってことだ」と少し肯定できるようになった。
一歩ずつですが、自分を見つめ直す時間が、私を前に進めてくれています。
未来の自分へ、そして同じ悩みを持つあなたへ
もし、あなたも今「感情の波」で苦しんでいたら、伝えたいです。
あなたはひとりじゃありません。
怒りや涙でどうにもならない夜も、感情をぶつけてしまった自分を責める朝も、
それでもあなたの中には「よくなりたい」という気持ちが残っているはずです。
私も、何度も立ち止まりました。
でも、少しずつ「こんな自分でもいいのかも」と思えるようになってきました。
うまくいかない日があっても大丈夫。
誰かに助けてもらいながら、あなたらしく生きられる環境を、少しずつ探していってください。
まとめ 脳の損傷による症状
高次脳機能障害による感情コントロールの低下は、外からは理解されにくく、本人にとってはとても苦しい症状です。
でも、「迷惑をかけたくない」「普通にしたい」と思いながら、日々本気で努力している当事者がいることを、どうか知ってほしい。
そして、同じように悩んでいるあなたへ。
それはあなたの弱さではなく、脳の傷によるものです。
自分を責めすぎないでください。