はじめに:高次脳機能障害って何?
私は、小学6年生の時に脳出血を起こしました。
それにより現在も右半身麻痺・高次脳機能障害を持ちました。
その「高次脳機能障害」という言葉を聞いたことがありますか?
私も、倒れてから
「高次脳機能障害って何?」
脳は関係してると思うけど、そもそも
「高次って何?」
など、なかなか自分のことについて深く理解できませんでした。
ようやく自分は高次脳機能障害なんだと理解したのは、確か高校生頃だったと思います。
高次脳機能障害の意味は
脳にダメージを受けることで 記憶・注意・感情のコントロール・思考 などに影響が出る障害です。
例えば
• 「さっき言われたことを忘れてしまう」
• 「一つのことに集中し続けられない」
• 「突然怒りっぽくなったり、泣きやすくなったりする」
• 「計画を立てても実行できない」
こんな症状が出ることがあります。
でも、見た目には普通に見えるため、周囲に理解されにくいのが大きな特徴です。
「怠けているだけじゃないの?」
「やる気がないの?」
と思われることもありますが、それは違います。
実は、高次脳機能障害はとても困っていて、どうにかしようと頑張っているのです。
高次脳機能障害の一般的な症状
記憶障害
今見たことや、さっき聞いたことを忘れるなど、新しいことが覚えられず、日常生活に支障をきたします。
過去のことを忘れてしまう場合もありますし、忘れていること自体に気が付いていない場合もあります。
注意障害
落ち着きがなかったり、逆にボーっとしたりと、物事に集中できないため、日常生活がはかどりにくくなります。
また疲れやすく、長い時間作業を続けることが苦手になる事もあります。
遂行機能障害
段取り良く物事を進めることが苦手になるため、思いつきだけで行動し失敗することが多くなります。
また何から手を付ければいいのかわからない状況になったり、指示してもらわないと行動を始められないといった症状が特徴です。
社会的行動障害
欲求コントロール低下
食欲を抑えきれず食べ過ぎたり、性的な興奮を抑えきれず社会的に許されない行動を起こしてしまったりと、我慢ができなくて何でも無制限に欲しがる状態を言います。
感情コントロール低下
些細なことで怒りだして大声を張り上げたり、突然泣きだしたり、笑いが止まらなくなるなど、感情や情動を適切にコントロールすることが出来ない状態を言います。
意欲・発動性の低下
自分から物事を始めることが難しくなり、周りの人に言われてからでないと動くことができません。
ボーっとしているため「怠けている」と誤解を受けることもあります。
対人技能拙劣
相手の気持ちになって「こうされたら嫌だろう」と推測し、思いやることが苦手になるため、相手に不快感を与えてしまいます。
その為、人付き合いが上手く行えなくなります。
退行・依存
態度や言動が子供っぽくなったり(退行)、他の人に「アレやって、コレやって」とお願い(依存)してばかりで、自分では何もしなくなってしまう状態を言います。
固執性
一つの事に対してこだわり、執着し続けてしまう状況のことです。
こだわりは誰にでもあることですが、適切なバランスが取れなくなり、周囲に迷惑をかけてしまいます。
病識の欠如
他人から見ると、問題が明らかなのに、本人が病気であるという意識を持たない状態を言います。
また障害について自覚がないため、自分の症状を否定してしまいます。
失語症
話したいのに言葉が出てこない、相手の話の意味が理解できないなど、
読む、書く、聞く、話すという言語のコミュニケーションに問題が起きた状態をいいます。
失行症
歯ブラシの使い方がわからなくなる、服を着る方法がわからなくなるほど、普段使っている道具、日用品が上手に使えなくなったり動作の手順がわからなくなる症状です。
失認症
目は見えているのに、物の色、形が分からない、よく知っている人の顔を見て誰なのか分からないなど特定の感覚を通して、対象を認識することができなくなる症状です。
その他で私が主治医に言われこと
他にもあるので、見ていきましょう。
易疲労性(いひろうせい)
脳が損傷されたことによって脳の回路が寸断され、脳が疲れやすい状態を言います。
身体や精神の両面での耐久力の低下が特徴です。
強迫性障害
脳がダメージを受けることにより、強い不安や恐怖、こだわりがあることで、
「やりすぎ」ともいえる考えや行動を止めることができず、日常生活に支障が出てしまう障害のことを言います
強迫笑い
笑いの感情が爆発的に表出する病態で、自分の意志ではコントロールできない症状です。
視野障害
主に脳梗塞、脳出血などによって視覚を処理する脳の領域が損傷した場合に発生します。
まとめ
高次脳機能障害は、突然の事故や病気で誰にでも起こり得る障害です。
理解を深め、支え合う社会を作っていくことが大切だと思います。
この記事が、少しでも理解のきっかけになれば幸いです。